chap. 29

「珍道中」という名の冒険行。

マルセイユからカイロに向かうはずの進路が、なぜかファマガスタやカンディアに向かっていたり、 左岸沿いを生真面目に航行した結果ぐだぐだな澪を引いてみたりするうちに、熱砂のサハラを駆け抜けて、一路ピラミッドへと向かう。










そんなわけで、マルセイユを代表する商会のひとつである「ミーマメイズ」の新歓ツアーに行きがかりでお呼ばれして来ました。私の連れがお世話になっているわけで、一見大人のクールさを装いながら、実は高いテンションとネアカなノリの楽しい商会のようです。

何やら足元がよろめいているように見える道中。熱砂の沙漠を駆け抜けているせいということにしておいてください。いやとにかく、このでーんと彼方にそそり立つピラミッドへ勇躍向かっていくわけです。
待ち受けるものは、神か悪魔か？はたまたミイラの類か......

しかも、魅惑のサッキュバスとして知られる会長が、爆弾発言を。
「あたしはKちゃんにメンターして剣術レベル1でも、全裸でも勝てる。警察にだって勝てる。負けたら＊＊＊＊する！」
伏せ字にしないと放送コードに引っかかる宣言が炸裂。早くも波乱含みの幕開けです。果たして無事生還はなるのか。
私は安全策を取って、海事用のガチな装備を一応着込んでおくことにしました。

とはいえさすが冒険レベル79の強者。罠を巧みに起動させたりして、次々に部屋を突破。最後は惜しくも最深奥で全滅してしまったものの、彼女の安定したリードで、連れもダンジョン探索を堪能できた模様です。







今回労を取って頂いたM会長に心からの感謝を。
ちなみに全滅した結果M会長の身に起きた奇禍については、この場では恐ろしくて書けません。なにしろ「＊＊＊＊」ですしね。